2013年10月15日火曜日

Vol.5 佐倉惣五郎


『人民の権義を主張し正理を唱えて政府に迫り、その命を棄てて終わりをよくし、
世界中に対して恥ずることなかるべき者は、古来ただ一名の佐倉惣五郎あるのみ。』

上記の文章は、福沢諭吉「学問のすすめ」から抜粋した一文です。
突然ですが、この「佐倉惣五郎」を皆さんはご存知でしょうか?
今回は、明治の自由民権家たちが民権の先駆者と称え、福沢諭吉が大絶賛した
佐倉を代表する歴史上の人物「佐倉惣五郎」を紹介したいと思います。
 

 
 
佐倉市と成田市の間に宗吾霊堂という立派な霊堂があります。
約10万平方メートルの広さに、年間参詣者約250万人の人々が訪れるこの立派な
霊堂には、宗吾様と呼ばれ親しまれている「佐倉惣五郎」が祀られています。




境内に入るとお店が何軒か並んでいます。
写真は土産物屋「三好売店」のご主人竹村さん。創業80年の老舗です。
三毛猫のみーちゃんがお昼寝をしていました。


さて、惣五郎さんはどのような事をしたのかというと・・・
時は江戸。年貢米の取り立てが厳しく、村人の生活は大変苦しいものでした。
この状況を見るに忍びず、惣五郎さんは減税を佐倉藩に直訴しました。
しかし、一蹴されてしまいます。次に将軍家側用人久世大和守にもお願いしましたが
叶わず、ついに最後の手段、四代将軍徳川家綱に直訴しました。
ついに訴えは取り上げられたものの将軍への直訴は死罪。
子供4人とともに悲しい運命をたどりました。


境内に入ってすぐ右手に、惣五郎親子5人のお墓があります。
その後、幕府は免税を命じ、農民は救われました。


宗吾御一代記館
惣五郎さんの事績を人形で再現しています。
このお話は、歌舞伎でもよく取り上げられているので、歌舞伎役者の方が公演前に
お参りにくるそうです。
松本幸四郎さんも昨年の冬、舞台の成功祈願に参詣に来られました。



甚兵衛そば屋
宗吾霊堂の正面前にあるおそば屋さん。
将軍に直訴する前に妻子に会いにきた惣五郎さんを、藩の取締りの禁を破って
渡し舟で助けた甚兵衛さん。
その渡し舟を模した器に盛られてくるおそばが名物です。




さて、惣五郎さんの命日は9月3日。
毎年9月第一週の土日に行われる「御待夜祭-おたいやさい-」は、惣五郎さんが
亡くなった後、彼を慕う人々が命日の前の晩にお籠りしたのが始まりと言われて
います。
両日、護摩が3回焚かれ、大般若経が読まれます。境内では、歌や踊りが奉納され、
名物の露店が所狭しと並び、初秋の風物詩となっています。






紅葉が美しいこれからの季節、日本が誇る偉人「佐倉惣五郎」に思いを馳せながら
宗吾霊堂に参詣しにいらっしゃいませんか?


[Info.]
 名称:宗吾霊堂
 所在地:〒286-0004 千葉県成田市宗吾1-558 
 代表電話:0476-27-3131
 ホームページ:http://www17.ocn.ne.jp/~sougorei/